倒産したエルピーダ、再建の支援先探しは難航必至

拡大
縮小

債務免除によって身軽になったとしても、DRAM事業そのものが問題では支援先候補も手を出しにくいだろう。

時計を巻き戻せば、09年に民間融資がまとまったのも経産省の旗振りがあったからこそ。だが、前回支援に関与した幹部のインサイダー事件や、業況のあまりの厳しさに頼みの国も完全に萎縮した。年明けには「先導しておきながら民間にツケを回すのか」と主力行首脳も不快感をあらわにした。おまけに、今回の破綻で経産省は公的資金を毀損させ大ミソをつけた。

今のエルピーダはまさに提携以外に頼るすべがない孤立状態。支援先が決まらず2次破綻(清算)に突入するリスクは、決して小さくない。

(長谷川高宏、井下健悟 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年3月10日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT