30年経っても忘れられない「胸が小さいね」。職場のセクハラ問題、 “本人が笑っているから大丈夫”では決してない

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女性の中にはセクハラを受けた際に軽く受け流したり、自分を下げて笑いを取ったりする人もいる。

「それを『本人が笑っているから大丈夫』と、先輩や上司がいじることは、ハラスメントだと認識されないこともあると思います」(中野さん)

20年間忘れられない

東海地方在住で、金融系の職に就く40代女性は、大手企業を2社経験する中で、「可愛がられる女性たち」を目の当たりにしてきた。

「女性として嫌なことをされているはずなのに、『そんなこと言わないでくださいよ~』と受け入れる人のほうがキャリアアップできている印象です」

新卒入社した会社では、新人が出し物をする部署対抗の恒例行事があった。

男女の同期でパフォーマンスをした際、女性陣の衣装は、「何となく脱いだ方が盛り上がるのでは」という流れになり、乗り気ではなかったが、肩紐の細いキャミソールに網レースのカーディガンをはおったスカート姿を披露した。

その後、女性を含むグループのメンバーは上から評価され、仕事がしやすくなった。

「でも、女を出した方が評価をされた現実を20年間覚えているのは、それが嫌だったという証拠だと思います」

今回取材に応じてくれたセクハラ経験のある3人の女性は、話しているうちに「思い出してきました」と、エピソードを語ってくれた。今もなおくすぶる怒りやモヤモヤ。それらが彼女たちの言葉に滲み出ていた。

(フリーランス記者・小野ヒデコ)

※AERA 2025年4月28日号より抜粋

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