30年経っても忘れられない「胸が小さいね」。職場のセクハラ問題、 “本人が笑っているから大丈夫”では決してない

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性別や年齢に関係なく一人の人間として評価してくれる人ももちろんいます、と女性は続ける。

だが、「業務を遂行する上で、根本的に女性を下に見ている人は少なくないです。今の会社では特に、50~60代男性にその傾向があります」とこぼす。

「他社に勤務する理系の女友達からも同じような悩みは聞きます。彼女たちには、『自分は悪くない』と認めてほしいと伝えたいです」

『教育にひそむジェンダー』の著者で、東京大学多様性包摂共創センターの中野円佳さんは、「いくら社内や組織内でハラスメント研修を受けても、その本質を理解していないと、ふとした瞬間の言動に出てしまうと思います」と指摘する。

「たとえば、『こんなこと言ったら、セクハラになっちゃうかな~』と、これはセクハラではないからね、と前置きした上でそうした発言をする。セクハラという言葉が浸透したがゆえに、エクスキューズと一緒に述べられる感じです」

“男子校カルチャー”

なぜそうした乖離が生まれるのだろうか。

その背景には、性別、年代など同じ性質が集まる“男子校カルチャー”の価値観をアップデートする機会がなく、それを誰からも指摘されない、そのため、社会の変化自体にも気づいていないことが挙げられると中野さんは言う。

「中には下ネタが好きではない男性もいるはずなのに、何となく下ネタでコミュニケーションを取るほうが優勢で、そのままの状態になっている。その名残だろうと思います」

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