そして糖尿病患者さんの多くが苦労するのが、生活習慣の改善です。
大きくは食事療法と運動療法に分かれますが、どちらもすぐには結果(血糖値の低下)に結びつきにくい場合もあり、地道な努力の積み重ねが大切になります。
そのため、途中でしんどくなってしまうのでしょう。「たかが食事や運動で、本当に良くなるのか」と思って、やめてしまう人も正直なところ、多いです。
「生活習慣の改善」を頑張ると…
それでも頑張って、いろいろと工夫しながら生活習慣の改善を続けている患者さんたちから話を聞くと、「最初のうちは『食べたいものが食べられないのがつらい』『量が足りない』と思っていたけれど、次第に慣れてくる」というような話をされます。
そのうちに、「体調がよくなった」「体がラクになった」と言うようになり、早い人では治療を始めて数週間ほどで、「生活習慣を変えてよかった」「体が変わるのが楽しくなってきた」という声が聞かれます。
ある患者さんは、「治療を始めてから、今までいかに体が不健康だったのかがよくわかった」と話していましたし、別の患者さんは「体を動かすとしんどくなるかと思ったけど、逆にラクになるものなんですね」と言っていました。
そこには「やってみたら変わる」という達成感がにじみ出ていました。
「たかが糖尿病」と思って放置すれば悪化する一方ですが、少しずつでもいいから、対策をとっていけば必ず変わってくれるのが人間の体です。生活習慣の改善は、すぐには結果が出なくても、長い目で見れば、将来の健康を維持するための大きな力になります。
最初から完璧に100%の力でやろうとするとつらくなって続かないので、まずはできることを1つずつやり、徐々にできることを増やしていくといいと思います。
薬物療法についていうと、近年は薬の種類が増え、以前より無理なく治療が受けられるようになっています。
これまで副作用として生じていた低血糖を起こしにくい薬や、週に1回の投与ですむインスリン注射薬など、患者さんの負担を軽減させる新薬が次々と出てきています。
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