「会社から逃げた」元大手メーカー課長の男性。独立起業することを決意するも、選んだ仕事は「農業」だった意外なワケ
この本を読んでから、「自分は会社にとってかけがえのない存在なのか」というこの問いが絶えず頭の中にあった。
以前は、「自分が居なくなったら会社は絶対に困るはずだ!」と自分に言い聞かせていた。だが、この本を読んでから違うのではないかと考えるようになった。
特にデンソーという会社はカリスマなき超優良企業で、強力なリーダーシップを発揮するオーナー創業者がいるわけではなく、盤石な組織力で成り立っている会社だ。そんな会社の中で「かけがえのない存在」などあるのだろうか。
私は間違いなく「交換可能な存在」だと自覚するようになっていた。
必要なときに必要なモノに出会う
その本に出会って、まだ気持ちが揺れ動いているときだった。
会社には管理職専用サイトがあり、ときどき覗いてみる程度だったが、その日も息抜き程度にサイトを閲覧していた。必要なときに必要なモノに出会うとはよく言ったものだ。というのは、そのとき私は今後の進路を決定づける重要な制度があることを初めて知った。
それは「早期退職制度」だった。
そんな自分にとって大事な制度に、なぜ今まで気づかなかったのか不思議だが、とにかく自分が迷っているときに見つけたのだ。
早期退職制度は、経営が行き詰った会社が立て直しを図るために、臨時募集するような制度だと思っていたが、デンソーのような優良企業でも景気にかかわらず常時募集していることは驚きだった。
この制度が今も会社に残っているかどうかは知らないが、当時は、早期退職することによって退職金が割増しで支給されるもの。ただ条件がいくつもあって、勤続15年以上の管理職であること、適用は45歳から、競合先への転職では適用されない、などだったと記憶している。
この制度には、もうひとつ重要なサポートシステムが用意されていた。それは正式な制度適用の1年前から「研修期間」が用意されていた。
たとえば専門学校などに通って必要なキャリアやスキルを習得する時間が1年間与えられているわけだ。
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