
「台湾総統の話は説得力がない」
2025年4月6日、台湾の頼清徳総統はアメリカのトランプ大統領による関税への対応について演説を行い、その中で石油、天然ガス、軍備など、アメリカからの調達を拡大すると述べた。
それについて、元行政院副院長の施俊吉氏は、「もうそういう話はやめるべきだ。トランプにとっては、そんなことは説得力がない!」と述べ、「トランプが懸念しているのは、一般産業の衰退であり、軍需産業でもなければ、世界中が買っている天然ガスでもない」と付け加えた。
また、トランプ大統領の関税の計算式が外部から「単純かつ乱暴」だと批判されている点については、「あの公式のロジックは明確で、トランプ大統領は貿易赤字を解消したいだけなんだ。じゃあどうするか。まずはアメリカからの輸入を増やす。そのためには、数量が多く、単価が高い品目に手を付ける必要がある」とも強調し、そして「自動車の関税は必ず下げるべきだ」と名指したのである。
WTO(世界貿易機関)の規定に基づきアメリカ製自動車の関税(現在17.5%)を下げれば、最恵国待遇を受けているほかの国々にも同様に関税を引き下げなければならないという懸念はある。しかし施俊吉氏は、「トランプ大統領はすでにWTOの協定を完全に破壊している。台湾もある程度の柔軟性を持って対応すればいい」と主張した。
自動車に加え、施俊吉氏が注目したのは、現行の輸入関税率が主要国中で最も高いレベルにある「健康食品」である。データによれば、台湾では健康食品の輸入関税が30%にも達し、アメリカの6.4%を大きく上回っている。『今周刊』が2022年に実施した調査では、女性向けのセントラムビタミン1本の価格が、台湾ではアメリカの2.5倍にもなっていた。
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