まさかのトランプ関税の一部「90日間停止」だが…高関税をかけたがる背景事情

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(写真:ブルームバーグ)

日経平均株価は「トランプ関税」の影響で大きく乱高下しています。10日の日経平均株価は歴代2位の上げ幅となる2894円高を記録しました。

トランプ大統領は9日に日本に対してこれまでより24%関税を上乗せする追加関税を発動しました。しかし同じ9日に追加した関税の上乗せした分の90日間停止(10%のみ実施)する承認をしました。

トランプ大統領は各国との間で貿易などの交渉を行うと伝えており、今後、日本とアメリカの間でトランプ関税の修正交渉が進むとの期待が株価急反発の理由です。

トランプ大統領はなぜ高関税を各国に課すのか

これまでの株価の経緯をトランプ関税に関する報道と合わせておさらいしてみましょう。4月7日の日経平均株価は歴代3位の下げ幅、2644円安となりました。株価急落の主因は関税戦争のエスカレート懸念でした。トランプ大統領は中国からの輸入品に34%の関税を課すと発表しましたが、報復に中国もアメリカからの輸入品に従来の関税率に34%上乗せする追加関税を課すと発表しました。

7日まで日経平均株価は3カ月間に22%下落していました。これほど株価が急激に下落したのは新型コロナの感染爆発により相場が急落した2020年の4月3日までの急落(3カ月間で24%の下げ)以来です。

10日に株価が急反発しましたが、関税戦争の行方がわかりにくい状況で、今後もトランプ関税に関する材料に反応して株価は乱高下するでしょう。とはいえ、これまで株価が大きく下げたので、ゆくゆく本格的に株価の反騰が期待されるなら、長期投資の観点からも積極的な姿勢で臨みたいところです。

そこで、今回はなぜ「トランプ氏は高関税を各国に課すのか」「関税戦争はなにをもたらすか」をなるべく専門的用語を使わず多くの読者の方にもわかりやすく解説したうえで、今後の貿易交渉の行方について考えてみます。

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