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アメリカでの本体値上げはいったん見送り・・・「任天堂スイッチ2」が迎える“相互関税”の試練 業績、取引先のソフトメーカーへの影響は?

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6月5日に発売される予定のスイッチ2。多くの業界関係者が待ちわびた新型機だ(撮影:梅谷秀司)

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最大市場を揺るがす難局に、どう対応するのか。

任天堂は4月18日、トランプ政権による相互関税の影響などを考慮するため延期していた新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」のアメリカでの予約受付を、24日に始めると発表した。当初は9日に開始する予定だった。関税の影響で値上げの可能性も懸念されていたスイッチ2本体の希望小売価格は、4月2日に発表した449.99ドルを維持することも明らかになった。

専用ソフトの「マリオカート ワールド」、「ドンキーコング バナンザ」も当初の価格を据え置いた一方、コントローラーやカメラなどの周辺機器は5~20%程度値上げする。発売日は6月5日から変えていない。

値上げの可能性が消えたわけではない

もともと任天堂はスイッチのほとんどを、中国の工場に製造委託していたが、第1次トランプ政権下で米中貿易摩擦が激化した2019年以降、ベトナムを中心とした東南アジアでの生産を増やしてきた経緯がある。

任天堂の古川俊太郎社長は今年2月の決算説明会で、トランプ政権による関税政策の影響について「スイッチは中国だけでなく、ベトナムやカンボジアでも生産しており、さまざまな地政学リスクを想定して体制を整えてきた。アメリカが中国に追加関税を課す場合には一定の影響がある」とコメントしていた。

今回は関税率が145%まで引き上げられた中国以外にも、ベトナムで46%、カンボジアでは49%の関税率が示されたが、9日からは、一部の国に対して10%の基本税率を除く上乗せ部分の90日間の停止措置が取られた。それにより、停止措置が終了するまでにスイッチ2の在庫をアメリカに輸送することで初期台数への関税影響を回避できるとして、スイッチ2の本体価格の据え置きを判断した可能性がある。

ただし、これによって本体の値上げの可能性が完全に消えたわけではない。

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