「働くとみんな豊かになるのか?」 労働と経済の《黄金の循環》が終わりを迎えた歴史的な背景

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水町勇一郎 労働
※写真はイメージです(写真: kouji / PIXTA)
私たちはなぜ働く必要があるのでしょうか。そもそも、「働く」とはどういうことなのでしょうか。早稲田大学法学部教授の水町勇一郎氏は新著『社会に出る前に知っておきたい 「働くこと」大全』で狩猟採集社会の頃までさかのぼり、人間の「働き方」の歴史的変遷を解説します。

法制度の変化

伊 達「法制度は、確固たるものとして存在し続けるのか、時代によって変わるのか。難しいけど、いい質問だね。法制度というのは、基本的には、人間がそのときそのときの社会や思想のあり方に規定されながら作り出しているものなので、その背景にある社会や思想のあり方が変わると、法制度の内容も変わっていくことが多いといえるかな」

宇 野「法律改正ってよく聞くけど、時代背景が変わって法律が改正されるってこともあるんですね」

19世紀に誕生した労働法は、20世紀前半になると、その当時の社会的・思想的な背景と結びつきながら、大きく発展していくことになります。当時の背景としては、大きく3つのものがありました。

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