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「働くとみんな豊かになるのか?」 労働と経済の《黄金の循環》が終わりを迎えた歴史的な背景

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この20世紀の労働法が世界的に脚光を浴びるようになった出来事は、1930年代のアメリカで展開されたニューディール政策でした。

1920年代後半に生じた過少消費と不況の悪循環(デフレ・スパイラル)のなかで、世界は大恐慌に陥りました。そのなかで、1933年にアメリカ大統領に就任したフランクリン・D・ルーズベルトは、労働法と社会保障法を強化することによって、労働者層の購買力の引上げを通じた経済の回復を図ろうとしたのです。

このように経済政策の一環として位置づけられた労働法は、第2次大戦後の経済成長期に、経済の成長と連動しながら大きな発展を遂げることになります。

労働法や社会保障法の充実により消費が拡大して経済が成長し、その成長の成果が労働法や社会保障法の充実という形で労働者に分配され、さらなる消費拡大・経済成長につながるという「黄金の循環」が、先進諸国の間で広くみられるようになったのです。

さくら「経済成長と労働法が一体となって、働く人の生活が豊かになっていったんですね」

悠 太「働く人が豊かな暮らしを送れるようになったのって、狩猟採集社会以来のことじゃないですか。約1万年ぶりですね」

真 由「このまま『黄金の循環』がずっと続けばいいんだけど」

サービス産業の拡大とグローバル競争

しかし、「黄金の循環」はそう長くは続きませんでした。1973年に起こった石油危機を契機に、労働者の置かれた状況は大きく変わっていくことになります。そこには、大きく3つの背景がありました。

1つは、高度経済成長の時代が終わり、低成長やマイナス成長の時代になるなかで、「黄金の循環」が反転したことです。

石油危機を契機に経済成長のスピードが鈍化し失業者が増えると、税金や社会保険料の引上げという形で社会的負担が増加し、それが国民や企業の経済活動の制約につながります。それによって経済状況が悪化すると、さらに社会的負担や財政赤字が増加するという悪循環が生じるようになったのです。

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