ついに日本語対応したApple Intelligenceの真骨頂は作文ツールにあり。iPhoneの文章作成で時短する秘訣

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とりあえず、文法間違いや言い回しのぎこちなさは無視して、知っている単語を並べてみたような形だ。これでもたぶん伝わることは伝わるはずだが、「英語があまり得意じゃないんだな」という印象を与えるだろう。これを作文ツールにかけ、「プロフェッショナル」を選択したところ、画面のような文書に仕上がった。

英語で適当に書いた文章を、Apple Intelligenceで清書したところ、こなれた文体に変換された(筆者撮影)

例えば、残念ながらという意味合いで「Unfortunately」が加わっていたり、キャンセルしたいというところが、「request that the reservation be canceled」と受動態になったり、「tell me」が「provide me」になったりと、より丁寧かつこなれた感じの文章に変更された。

ちょっと硬すぎると思ったら、「プロフェッショナル」ではなく、「変更を説明欄」に「カジュアルさを保ったままこなれた感じに」といった命令を入れればいい。

この場合、ChatGPTに作文が受け渡され、なぜか日本語に訳されてしまったが、再度「英語で」と命令すると、文意を保ったまま自然な文体になった。海外とのやり取りが多かったり、海外旅行の準備をしたりする際には、日本語以上に役立つ機能と言えそうだ。

時間のないときに便利な要約もワンタップで生成

要約機能は、メールでも活用できる。文章の長いメールを受け取り、全部読んでいる時間がないようなときには、概要を把握できる。筆者のケースでは、プレスリリースで長文を受け取った際に、その要旨を把握する際に活用している。メールの件名よりは情報量が多く、かつある程度、細かな情報は省かれているのでざっと中身を理解したいときに重宝する機能だ。

メールの要約は、特に何か設定をする必要はなく、ワンタップで生成することが可能だ。届いたメールの本文を下方向にドラッグすると、画面右上に「要約する」というボタンが表示されるので、ここをタップするだけだ。メールの全文を読む必要があるかどうかを判断する基準にもなる。

長いメールや記事を読むときに便利な要約も、ワンタップで生成できる(筆者撮影)

 

また、この要約機能は単体のメールだけでなく、やり取りが続いてスレッドになっているメールをまとめて、どのようなキャッチボールが交わされたのかも手短にまとめてくれる。例えば、筆者が東洋経済オンラインの編集者とやり取りしたメールを要約してみたところ、次のような形で要約がまとめられた。

「〇〇(編集者の名前)が石野に2月分の請求書と記事ネタを依頼。石野は体調不良ながらも、iPhone 16e/SEに関する記事案を提案し、請求書を送付。〇〇は明日までに返信が遅れる旨を伝え、石野は明日までに原稿を送付すると約束」

時系列でやり取りが過不足なくまとまっており、このあとのメールで原稿を送ればいいことがわかる。やり取りが続くメールが複数あって、何を話していたかを忘れてしまった際に振り返ることができるのが、この要約を使うメリット。メールでのやり取りが多いビジネスマンには、特にオススメしたい機能だ。

Safariにも要約機能が組み込まれ、閲覧しているサイトの中身も、要約することが可能になった。ただし、この機能は、不要な情報をカットし、文章を読みやすくするリーダーモードにしているときにのみ機能する。URL欄の横のボタンを押し、「リーダーを表示」にしたあと、画面上部の「要約する」ボタンをタップすればいい。操作方法は、メールとほぼ同じだ。

また、通知でも、それまでのやり取りをザックリまとめてくれる。こちらは、自動的に情報がまとめられるが、要約が2行程度になってしまい、重要な情報をはしょりすぎているきらいがある。これだけでは内容をつかみづらく、結局は通知をタップし、アプリを開いてしまうことも多い。このように改善の余地はあるが、Apple Intelligenceの対応で文章を扱いやすくなったことも事実。対応端末を持っている人は、活用してみることをお勧めしたい。

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石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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