【反・ミニマリズム!】 DIYを趣味に単身赴任「つくりながら暮らす」日々と家族との程よい関係性、転勤族《会社に"旅をさせてもらっている"》

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保険会社でありながら、補償だけにとどまらず、人と人とのネットワークを育て、長期的な価値を築く——。こうした仕事を任される背景には、彼の「人との関係を築く力」への信頼があるのだろう。その秘訣を尋ねてみると、返ってきたのは意外な答えだった。

「人と深く付き合わないことですね。同時に、その場その場でインパクトのある関係を作るよう意識しています」

机のパソコン
基本は在宅ワークだが、フットワーク軽く各地の中小企業を訪問し、社長の悩みに耳を傾ける(撮影:大澤誠)

宮本さんは、経営者とのやり取りを「一期一会」の連続と捉えている。「毎回、目の前の相手とのやり取りに全力を注ぐ。だからこそ次に会ったときには、また新しい関係が築ける。それでいいんです。

サラリーマンは、手離れがよくなくてはいけない。自分で抱え込まず、次の人に渡せる形にすることが大事だから、全力で向き合いつつも、時がきたら次に移れるというマインドを大事にしています」

"深く付き合わない" と言うとドライに聞こえるが、それは目の前の相手に集中し、最大限の価値を提供するということが前提。一度のやり取りに完全燃焼し、時期が来れば次の誰かへとバトンを渡していく——。それが組織人としての宮本さんの流儀なのだろう。

理想の住まいの完成と単身赴任のはじまり

宮本さんは、もともと家族とともに転勤生活を送っていた。当初は北海道から熊本、名古屋など、家族は常に一緒だった。しかし、子どもが成長するにつれ、教育環境を考えると、転々とする暮らしには限界があった。そんなときに出会ったのが静岡県富士市。

「北海道人って、実はあまり大きな山を見たことがないんですよ。だから富士山を目の前にしたときのスケール感がすごくて。それに、気候も人も穏やかで、ここなら落ち着けるんじゃないかと思いました」

宮本さん
宮本陵太朗さん / 48歳、北海道出身。妻と4人の子は静岡県富士市に住み、本人は単身赴任で神奈川県横浜市に住む。大同生命保険株式会社で、営業、営業研修部・人事総務部を経て、現在は社長向けコミュニティ「どうだい?」のコミュニティマネージャーを務める。趣味はアウトドアとDIY。コロナ禍に廃材を活用して家族が暮らす富士市からほど近い富士山のふもとに小屋を建築し、現在2棟目を製作中(撮影:大澤誠)
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