"処方箋ナシ"で「病院の薬」が買える「零売薬局」、ニーズがあるのになぜ「規制強化」が進むのか、長く続く慣例の「前提」とは

病院で処方される薬を買うには、すべて処方箋が必要と思っている人は少なくないだろう。
だが、実は医療用医薬品の中には処方箋が不要のものがあり、一般販売している薬局がある。「零売(れいばい)薬局」と呼ばれている。
ところが最近、長年黙認されてきたこの「零売」に法規制をかける動きが進み、薬局側が反発し裁判沙汰になった。一体何が起きているのか。
処方箋なしで病院の薬が買える
東京の、とある繁華街から少し外れた一画にある薬局。看板には「処方箋なしで病院の薬が購入できる」旨の文句が書かれている。
店から出てきた男性(46)に話を聞くと、花粉症の飲み薬と点鼻薬、風邪をひいたときに飲む解熱鎮痛剤を購入したという。
医療機関でよく処方される、おなじみの薬だ。
「昔は、診察を受けてもらっていた薬です。
仕事が忙しいので、混雑している病院にわざわざ行って時間をとられたくないですし、一度は病院に行っても、また行く余裕がなくて薬が切れちゃうこともある。
ドラッグストアで類似品を買うより安いですし、欲しい時に買えるから助かっています」(男性)
ネットで購入できないか検索していたところ、たまたまこの薬局を見つけたそうで、利用して4年ほどになるという。