"処方箋ナシ"で「病院の薬」が買える「零売薬局」、ニーズがあるのになぜ「規制強化」が進むのか、長く続く慣例の「前提」とは

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「昔の薬剤師は、街のお医者さん的な存在で、薬だけではなく病気や健康に関するさまざまな相談を聞いてアドバイスをしてくれた。

利用者のセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な不調は自分で手当てすること)にも貢献していたんです。

そうした関係が成り立っているなら、零売は『患者にとって良いこと』とも言えると思います」(大嶋教授)

「グレーゾーン」を広げる一部の薬局

ただ、大嶋教授によると近年、その様子が違ってきた。「グレーゾーンを勝手に広げてしまう」一部の薬局が現れ始めたのだという。

露骨な広告宣伝に走ったり、処方箋がいらない手軽さばかりを売り文句にしたり、本来あるべき薬剤師の役割から外れた行為が目立つようになった。

「ただの商売ではないか」などと医師会や薬剤師会が零売を問題視し、規制の動きを強める要因になったという。

前出の厚労省の担当者も、

「零売で買える薬の中には、効果がなくても定めた期間を超す服用はしないことや、重篤な病気を見逃す可能性があるため医師の診察を受けるようにと明記しているものもあります。

どこに落とし穴があるかわからないため、薬剤師による丁寧なフォローアップは必須なのですが、一部の薬局について、そこが十分になされているかが疑問視されたのです」

と話す。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事