今回、一般のファンにとってチケット購入が極めて難しかったのは、大谷翔平、ドジャースの空前の人気によるところが大きいが、それに加えてグッゲンハイムが冠スポンサーとして参入し、上顧客へのプレミアムホスピタリティを満たすために相当数の観客席の割り当てを得たことも大きいと思われる。

今回の東京シリーズのスポンサーになっているある企業の担当者は「いつもは、プロ野球のチケットがあっても、あまり行く人はいないが、今回は上の人が“お客さんと一緒に大谷翔平を見る”と言い出して、あっという間に枠がなくなった」と話していた。
今回の東京ドームでは、一般の野球ファンに加えて、富裕層と思しき服装のグループを見かけた。外国人も多かったが、彼らの多くは「スポンサー枠」で入場したのではないか。また今回は芸能人、有名人が「東京シリーズに行った」とSNSでひけらかす投稿が多数あったが、彼らも同様のルートで入場した可能性がある。
東京ドーム周辺でも異変
当日の東京ドーム周辺も、普段とは大きく異なっていた。最近の東京駅のコインロッカーは恒常的に「満」になっているが、今回は、それに加えて東京ドームの最寄り駅であるJR水道橋駅、東京メトロ後楽園駅のコインロッカーが「満」になっていた。近隣の駅も「満」だった。
関西から来た筆者は、コインロッカーを探して右往左往することになった。東京ドームの場合、それに隣接する「黄色いビル」のコインロッカーは巨人戦のあるときでも空いているのだが、これも「満」。結局、新宿まで出て荷物を収納したために、試合開始に遅れてしまった。

入場ゲートも、NPBのペナントレースとは異なり、各ゲート前には飛行機に搭乗するときのような手荷物検査のための金属探知機が設置されていた。金属探知機は、メディア受付にも設置されていたために、記者やカメラマンも入場に手間取り、メディア受付の前も混雑していた。
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