イチローの「凱旋試合」でも観客席はガラガラだったのに…MLB開幕戦を含む「東京シリーズ」の熱狂を引き起こした大谷翔平の凄み

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(写真:筆者撮影)

筆者はプロ野球を観戦して半世紀以上になるが、3月15日から19日に行われた、MLB開幕戦を含む「東京シリーズ」の盛り上がりと、チケット争奪戦は、過去に例がないものだったと思う。

「MLB東京シリーズのチケット、買ったよ」という人に最初に出会ったのは、日本ではなく台湾だった。昨年12月、アジアウインターリーグの取材のために、台湾中南部の田舎町、斗六のホテルに宿泊したところ、筆者が野球の取材に来たと知ったホテルレストランのホールスタッフが、スマホの電子チケットを見せてくれたのだ。

彼は熱狂的な野球ファンで、前月に東京で行われた「プレミア12」も現地観戦していたし、MLB東京シリーズのチケットも早々に入手していた。彼は年会費7万5000円のロサンゼルス・ドジャースのファンクラブVIP会員で、観戦チケット2枚先着購入という会員特典を利用してチケットをゲットしたのだ。

彼だけでなく、台湾の球場のあちこちで「東京シリーズに行きたい」という話を聞いた。今回のシリーズチケット争奪戦には、台湾からも参戦していたのだ。

あまりに熾烈だったチケット争奪戦

日本でのチケット争奪戦は、さらに熾烈だった。チケットは公式サイトのほか、ローチケやぴあなどのチケットサイトから購入できた。こうしたチケットサイトの中には、系列のクレジットカードに入会することで、優先的にチケットを購入できる特典のものがあった。

筆者は「試合、選手」ではなく「興行」「ビジネス」を取材することが多いので、基本的に一般顧客としてチケットを購入する。主としてクレジットカード会員向けのチケット販売を利用した。特に日本シリーズやオールスターゲーム、さらにWBCなどのビッグゲームではこの種のカードは非常に強いのだが、今回は、このサイトにも「何時間待ち」の行列の表示ができた。

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