イチローの「凱旋試合」でも観客席はガラガラだったのに…MLB開幕戦を含む「東京シリーズ」の熱狂を引き起こした大谷翔平の凄み

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また、韓国では昨年、ドジャース対パドレスの開幕2試合がソウル近郊の高尺スカイドームで行われた。

筆者は2012年と2019年の開幕シリーズにチケットを買って観戦したが、チケットは普通に購入できた。また2012年、2019年ともに開幕戦の前にNPB球団とのプレシーズンマッチも行われたが、これらの試合は満員にならなかった。

2019年のMLB開幕シリーズプレシーズンマッチ満員には程遠かった(写真:筆者撮影)

今回は、開幕2試合だけでなく、プレシーズンマッチの4試合も超満員。大谷翔平が出ないカブスのプレシーズンマッチ2試合も、出足こそ遅かったがチケットは完売したようだ。

グッゲンハイム・パートナーズが冠スポンサーになった意味

今年の東京シリーズは、運営体制が、これまでとは大きく変わっていた。

公式サイトによれば、「主催:MLB、MLB選手会、日本野球機構(NPB)、読売新聞社」。ここまでは、いつもの顔ぶれではあるが、シリーズのタイトルは「MLB Tokyo Series presented by Guggenheim」
となっている。

グッゲンハイムをはじめとする主要スポンサー(写真:筆者撮影)

グッゲンハイムとは、ドジャースのオーナー企業であるグッゲンハイム・ベースボール・マネジメントのことだ。この会社はユダヤ系の投資家グッゲンハイム家の流れをくむ金融企業グッゲンハイム・パートナーズのグループ企業だ。2012年当時、経営危機に瀕していたドジャースを買収して経営再建し、MLB一の金満球団に仕立て上げた。

今回の東京シリーズは、名目上は、従来と同じ座組のように見えているが、グッゲンハイム・パートナーズが冠スポンサーとなったことで、状況が大きく変わったと考えられる。

ちなみに2024年のソウルでの開幕シリーズは、韓国の大手動画配信サービス会社、クーパンプレイ(Coupang Play)が仕切っていた。クーパン・プレイは一時期、日本でも動画配信を行っていたが、2023年に撤退したために、このシリーズのチケットを日本から購入するのは事実上不可能になった。

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