ディズニー『白雪姫』実写版が大コケか ポリコレ配慮で古典を今の時代に合わせる無理筋

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一方で、軟骨無形成症で身長132センチの俳優、ピーター・ディンクレイジは、「主演女優のキャスティングをアップデートしたのに背の低い人たちをいまだにステレオタイプで描くとは」と、このプロジェクトに疑問の声を上げている。結果的に、この映画で7人のこびとはCGで描かれることに。それはそれで軟骨無形成症の俳優から役を奪ったと批判された。

そんなふうに、誰も見る前からネガティブなイメージがついてしまったのだが、実際に見てみると、実はそう悪くもなかった。とは言え、推定2億7000万ドル(およそ400億円)もの製作費をかけた作品が「そう悪くもない」レベルだというのは、すでに失敗だ。

そして、じゃあどこをどうすればよかったのかというと答えはないのである。これはこうする以外なかったのだろうとしか言えない。1937年にアニメーションで語られた話の基本を守りつつ、2025年に人間の役者で2025年の観客の価値観に合うように作ろうという、そもそも無理なことをやった結果が、これなのである。

美貌に王子様が惚れるはNG?

まず、今の時代、「王子様が現れて救ってくれる」、「持って生まれた美貌で王子様を惚れさせた」、「(お金のある)王子様と結ばれてめでたしめでたし」という話を少女たちに聞かせたなら、それこそ「woke」な人たちから猛烈に攻撃される。

白雪姫 レイチェル・ゼグラー
レイチェル・ゼグラーの街中でのショット(写真:Raymond Hall/GC Images)

(以下、ネタバレを含みます)

ルックスや、誰と結婚するかで幸せは約束されないのだと、今の女の子たちは知っていなければならない。だから、この映画のはじめで、白雪姫の父である王は、一国のリーダーはどうあるべきかを、幼い娘に教える。ここでもう観客には、「白雪姫が生き返って終わりではないのだろう」と読める。

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