配信解禁で人気再燃の月9『やまとなでしこ』。「愛は、年収」な桜子の"肉食系な婚活像"が令和の若者にもめちゃくちゃ響く理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

対して桜子は、「お金」という自分の欲しいものがただ一つ明確で、圧倒的な行動量も伴っているまっとうな努力の人だ。放送当時も多くの人に支持されたその主人公像は、現代でも再評価されて視聴者の心を掴むに違いないのである。 

「マッチングアプリなら即除外」される出会い 

さらに『やまとなでしこ』が婚活ドラマとして示唆的なのは、多くの男性と出会ってきた桜子が最後に見つけた相手が、当初の希望条件とかけ離れた男性だということだ。 

マッチングアプリやSNSが普及した今、自分の望むステータスを満たす相手や、アルゴリズムに推奨された相手と会うことは容易になった。それが婚活であればなおさら、何かしらの共通点があったり、好感が持てそうな相手を候補に選ぶのではないだろうか。 

逆に自分自身がまだ自覚していない「好みの条件」を持つ相手と出会うことは、意外と難しい。その選択肢を気づかぬうちに自分で却下している(あるいはアルゴリズムによって除外されている)こともありうる。お金持ちを求める桜子も、マッチングアプリであれば欧介は即除外する存在だったはず。 

そんな中で『やまとなでしこ』は、婚活市場で接点のない者同士が出会い、握りしめていた“条件”を手放すことで恋愛を成就させる、現代らしいメッセージ性を感じる作品でもある。 

ときに衝突しながら距離を近づけていく2人のロマンティックな化学反応を、今こそ楽しんでほしい。  

【もっと読む】月9「119」でゲスト声優多用に生じた"違和感"の訳 「演技が浮いてる」「トーンが違いすぎる」 などの声では、月9「119」の声優起用に賛否の声が出た背景について、エンタメコラムニストの白川穂先氏が詳細に解説している。
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事