配信解禁で人気再燃の月9『やまとなでしこ』。「愛は、年収」な桜子の"肉食系な婚活像"が令和の若者にもめちゃくちゃ響く理由
対して桜子は、「お金」という自分の欲しいものがただ一つ明確で、圧倒的な行動量も伴っているまっとうな努力の人だ。放送当時も多くの人に支持されたその主人公像は、現代でも再評価されて視聴者の心を掴むに違いないのである。
「マッチングアプリなら即除外」される出会い
さらに『やまとなでしこ』が婚活ドラマとして示唆的なのは、多くの男性と出会ってきた桜子が最後に見つけた相手が、当初の希望条件とかけ離れた男性だということだ。
マッチングアプリやSNSが普及した今、自分の望むステータスを満たす相手や、アルゴリズムに推奨された相手と会うことは容易になった。それが婚活であればなおさら、何かしらの共通点があったり、好感が持てそうな相手を候補に選ぶのではないだろうか。
逆に自分自身がまだ自覚していない「好みの条件」を持つ相手と出会うことは、意外と難しい。その選択肢を気づかぬうちに自分で却下している(あるいはアルゴリズムによって除外されている)こともありうる。お金持ちを求める桜子も、マッチングアプリであれば欧介は即除外する存在だったはず。
そんな中で『やまとなでしこ』は、婚活市場で接点のない者同士が出会い、握りしめていた“条件”を手放すことで恋愛を成就させる、現代らしいメッセージ性を感じる作品でもある。
ときに衝突しながら距離を近づけていく2人のロマンティックな化学反応を、今こそ楽しんでほしい。
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