「花は半開を看(み)、酒は微酔(びすい)に飲む」
中国の古典『菜根譚(さいこんたん)』にある有名な一節です。
「花は五分咲きのころがいちばん良い見所であり、お酒はほろ酔い気分で度を超さない程度でとどめておくのがいい」という意味で、ほどほどのところで満足して楽しみなさいと教えてくれます。
たしかに、開ききった花をながめても風情はありませんし、深酒で泥酔してしまっては満ち足りた気分も通り越してしまいます。私もおつき合いの席やパーティなどでお酒をいただくことはありますが、少しだけ口をつける程度にしています。
お酒の席でワイワイ楽しくお話しするのはとてもいいことですね。ふだんは無口で静かな人が、お酒が入ってとても明るく話してくれると、こちらまで楽しくなります。
いっぽうで、お酒を飲んで怒りっぽくなる人もいます。議論が旺盛になるのはいいのですが、度を超えてしまうとまわりに迷惑をかけるだけでなく、後味が悪くなるものです。
お酒を飲み過ぎると怒りっぽくなる人は、アルコールが脳や体に与える影響に起因しているのだそうです。アルコールは脳の理性や判断をつかさどる前頭前野という部分の働きを弱めるため、通常なら抑えられる感情が表面化しやすくなります。
また、アルコールは感情を増幅させる性質があり、怒りやストレスを抱えていると、飲酒によっていっそう強まるそうです。たしかに、怒りっぽくなる人だけでなく、笑い上戸や泣き上戸という人もいます。
羽目を外すことが目的ではないはず
お酒を飲むときに最も大切なのは、お酒に向き合う心がまえです。
禅では、何ごとにおいても目的を見失わないことを重要としています。それを飲酒に当てはめれば、お酒は楽しむための手段であり、羽目を外すことが目的ではないと明確な意識を持つことです。
怒りっぽい人なら、飲む前から「楽しむぞ!」「リラックスするぞ!」と何度も心に言い聞かせてください。
感情が高ぶってしまったときは、一度席を外して、トイレに行ったり、外の空気を吸うなどして冷静になるのもいいでしょう。
そして席に戻ったら、ポジティブな話題に切り替えて、楽しい場づくりを心がけてはいかがでしょうか。
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