
人に頼ることは決して悪いことではありません。しかし、頼ることと頼り過ぎることは大きく異なります(写真:Taka/PIXTA)
私たちは日々、何かを「し過ぎる」ことで、知らず知らずのうちに心をすり減らしています。心配し過ぎる、気をつかい過ぎる、期待し過ぎる──。もちろん、心配すること、気をつかうこと、期待すること、それ自体は、決して悪いことではありません。それらがあるからこそ社会は成り立ち、人間関係も深まっていきます。
しかし、「し過ぎる」ことで、いつの間にか本来の目的を見失い、苦しみが生まれてしまうのです。本稿では、「し過ぎない」ことの大切さに焦点を当て、適度なバランスを見つけるヒントを、禅僧の枡野俊明氏の新刊『「し過ぎない」練習』をもとに、3回にわたりお伝えしていきます。
人に頼り過ぎない
人に頼ることは決して弱さではありません。それは人間関係のなかで自然なことであり、悪いことではありません。お互いを支え合う重要な要素です。
しかし、頼ることと頼り過ぎることは大きく異なります。
頼り過ぎてしまうと自分の成長を妨げ、最終的には自分を弱くしてしまうからです。また、相手との関係がギクシャクする場合もあります。
頼り過ぎは「依存」であり、相手に大きな負担をかけてしまうと心得てください。
人に頼る場合は、しっかりとした心がまえが必要です。
まず、自分自身の力を信じることです。頼ることは、甘えることではなく、協力を求めることなのですから、自分でできる範囲の努力をし、それでも難しいと感じたときに助けを求めるようにします。
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