「人に頼るのはいいが、頼り過ぎてはいけない」けれど、その塩梅はどうやって見分ける? 禅僧が教える「ちょうどよい頼り方」のポイント

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

裏千家茶道の団体は「淡交会」といいます。これも、何ごとにも執着せず、淡々としてあたかも水が流れるように、どんなときでも感情に流されない平常心の交わりを意味しているそうです。

「茶禅一味」の精神を根本とし、「みなさん、茶道を通じて平常心を学び、親しくなりましょう」ということを示唆していると読み取れます。

プライベートな話題には深入りしない

具体的な「淡交」の実践方法としては、会話のなかで“境界線”を意識するとよいでしょう。

「し過ぎない」練習
『「し過ぎない」練習』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

趣味や仕事の話題を中心に会話を進め、共通の話題を大切にします。プライベートな話題には深入りしないようにします。

相手がプライベートな話を自然に話しだしたときだけ傾聴に徹して、自分自身のプライベートもオープンにし過ぎないことです。そうすることで、お互いのプライバシーを尊重する姿勢を示すことができます。

仏教の根本的な教えの一つに「中道(ちゅうどう)」があります。極端を避け、調和を大切にする生き方のことです。

たとえば家庭内の問題に対して、過度に踏み込むのも、まったく関心を持たないのも極端な態度です。適切な距離感を保ちつつ、相手を見守る姿勢が中道にかなっています。

人づき合いは、濃すぎても薄すぎても長続きしません。極端を避けバランスを大切にしながら、お互いに尊重し合う関係を目指しましょう。

枡野 俊明 「禅の庭」庭園デザイナー、僧侶

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ますの しゅんみょう / Shunmyo Masuno

1953年、神奈川県生まれ。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣(当時)新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年、『ニューズウィーク』誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。主な作品はカナダ大使館庭園、セルリアンタワー東急ホテル庭園「閑坐庭」、ベルリン日本庭園「融水苑」など多数。曹洞宗徳雄山建功寺住職、多摩美術大学環境デザイン学科教授。著書に『心配事の9割は起こらない』『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力』(以上、三笠書房)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事