「いつもボーっとしていて、不器用」→話下手な僧侶が名僧になった深い理由【心がつまづいたときに読みたい】

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
人間関係に悩む
「叩かれて、這い上がる」ことがもてはやされた時代がありましたが、今はそうではありません。「叩かれたら潰れてしまう」時代です(写真:タカス/PIXTA)
あれもこれもと心配ごとが多すぎて、身動きがとれなくなっているのが現代人。どうしたら、不安に囚われることなく、「今、この瞬間」を全力で生きることができるのでしょう。

新著『考えすぎないコツ』では、禅僧であり世界的な庭園デザイナーでもある枡野俊明さんが、「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントを解きます。

本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。

「負け組」だった名僧たち

かつて「叩かれて、這い上がる」ことがもてはやされた時代がありました。しかし今はそうではありません。「叩かれたら潰れてしまう」時代です。

『考えすぎないコツ:「気づいて」「ほどいて」「放っておく」人生を軽くするシンプルな本質』書影
『考えすぎないコツ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

個性を大切にする教育のもとで大事に大事に育てられてきた人たちが多く、ちょっとしたことですぐに心がつまずいてしまう。そういう人が世のなかの圧倒的多数だと思うのです。

そんなのおかしい、人間は強くあるべきだ、逞しくあるべきだ」と申し上げたいわけではありません。むしろ逆です。そうした弱さこそ人間の本質ではないか。人間はもともと弱いのではないか。そんなふうに考えてみたいのです。

禅には「人はもともと弱いもの」だから「修行によって自分を律しないといけない」という考え方があります。名僧とうたわれるあの人もこの人も、強いか弱いかでいったら弱い人ばかり。世間一般の価値観からみて勝者か敗者かと尋ねられたら、敗者ばかりかもしれません。

良寛さんもそんな名僧のひとりです。

次ページ弱さを見つめた良寛さん
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事