Yahoo! JAPANのO2O市場No1戦略(後編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命 第8回》
--販売履歴、来店履歴をYahoo!側が持つとそれがビッグデータとなるのでしょうか。ビッグデータをYahoo!が持つことでどんなビジネスが考えられますか?
ビッグデータになる。今まで販売履歴は取れていても、来店履歴は難しかった。これからは来店履歴も押さえていきたい。
従来まではネット上の行動や興味は取れていたが、今後はリアルな行動もデータとして加えていきたい。そのことにより、広告や商品の推薦がより個人に最適化され、自動的に情報が配信できる。
ただ、ビッグデータの解析はとても大変。膨大なデータがあるけれど、どのデータが必要かといったことがなかなかわからない。
O2Oでもビッグデータを活用したサービスは当然出てくる。活用すればするほど精度の高い何かができてくると思っているが、絶対にビッグデータを活用しなければならないか、まだわかっていない。ビッグデータのためにO2Oを取り組むのでなく、取り組みの結果としてデータがたまる。
Yahoo! JAPANが、ビッグデータを取り扱うのは間違いない。でもビッグデータが目的ではないし、ビッグデータ自体にバリューがあると考えているわけでもない。
--O2Oのビジネスモデルはまだたくさん成り立ちそうですね。
Yahoo!ロコで店舗を認知させた後、お客さんを確実にお店に連れて行った回数で課金するモデルはまだ提供できていない。今後出していきたいモデルだ。
現在Yahoo!が提供している広告サービスに、Yahoo検索の「リスティング広告」がある。リスティング広告には、検索サイトで商品やサービスを検索している利用者に対し、検索キーワードと関連する広告を表示する「検索連動型広告」と、利用者が閲覧中のページや過去の閲覧履歴、直近の検索キーワードに応じて、最適な広告を掲載する「興味関心連動型広告」がある。いずれもクリック数に応じて課金している。