Yahoo! JAPANのO2O市場No1戦略(後編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命 第8回》
このリスティング広告が、ビジネス面で企業に納得してもらえる商品となっている。興味のあるお客さんが、最も効率的に企業のサイトに来てくれるのがこのモデル。これをリアルに置き換えたいと考えている。
本当に自分の店に来てくれる人にだけ広告を出し、来店してくれたら1人当たりいくらか払ってもいいと考えている店が結構あると思う。
Yahoo! JAPANの仕掛けによってお客さんを連れて行き、それで課金したい。来店履歴が確実に確認できる仕組みができれば、課金できる。お客さんが買うか買わないかはその先の店舗側の力。もちろんより購買に近いところで関与すれば、もらえる単価は上がってくるだろう。
たとえば、アメリカの「Shopkick」というサービスでは、来店ポイントだけではなく、試着ポイントもある。試着まで行けば、何ポイント、とか。
ただし、この仕組みが進むとポイント目当ての一見(いちげん)さんが増え、店舗側が嫌がる可能性もある。それよりも将来常連になる見込みのある客や確実に興味がある客、たくさん友達を連れてきてくれる客といった具体的なイメージを指定して、顧客を店に送ってほしいと店舗側から言ってくる可能性がある。
--年収1000万円以上の人を連れて来てくれるとか、そういう要求に応えられるのでしょうか?
最終的にはそこまで行かざるをえないだろう。
たとえばミッドタウン(六本木)にある高級料理店を10代のお客さんにすすめても意味がない。その料理店では、独自に裏側のCRMを用いて、完全な空間管理を行っている。この客はいつ来てこの料理を食べたというところまで把握することができる。その結果、次に来たときに重複メニューを出さないといったサービスが実現できる。ハイエンドのほうに行くとそういったCRMと連動し、お店側のほうでもっと細かくやり始めるだろう。