Yahoo!JAPANのO2O市場No1戦略(前編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命 第7回》
--Yahoo!JAPANが目指す目標は。
約130兆円あるリアル市場のうち、O2Oの関与売り上げシェアナンバーワンを取りたい。具体的には、次のようなものを考えている。
1つは、リアル店舗からの広告宣伝費。今は、新聞折り込みチラシなどが担っている。次に、リアル店舗からの販売促進費。DM等が当てはまる。3つ目は、メーカーの販促費だ。たとえばソニーがブラビアを売り出すために払うおカネや、資生堂がマツモトキヨシに払うおカネがこれに当たる。最後は、リアル店舗での決済手数料だ。
まず、Yahoo!ロコなどで何らかの仕掛けをし、消費者に店舗を認知してもらう。その後来店をしてもらい、その際には来店履歴ログを残すようにする。商品を買ってもらい、将来的にはYahoo!ポイントを付与するようにもしたい。決済手数料もここで取れるようにしたい。
これらの流れによって、Yahoo!のクラウドに大量のデータがたまる。ビッグデータは、レコメンド、ターゲティング、認知を向上させるために活用したり、一部を実店舗にマーケティングデータとして提供したりすることも考えている。
--消費者にとってのメリットは何なのでしょうか。
今までは、リアル店舗が何を売っていて、どんなサービスを受けられるのかわからなかった。消費者の勘に頼っていた。その情報が検索ですぐ手に入れられるようになる。
店舗と消費者の関係性ができてくると、前回来店してくれた消費者にだけクーポンを渡すこともできるようになる。夕方までに入店すればビール1杯無料などのタイムサービスを受けることも可能だ。
「一見の客」と「常連の客」の中間の客とお店との関係構築に利用できる。これは消費者にとってもメリットは大きい。