Yahoo!JAPANのO2O市場No1戦略(前編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命 第7回》
--Eコマースの限界を見てリアル市場に行ったのか、もともとEコマースから始めてリアル市場もという段階を踏んだ規定路線なのでしょうか。
後者だ。Eコマースはまだ成長する。ただ、Eコマースでは対応できないものもある。たとえば、今日このあとホームパーティで持っていくお土産はすぐ近くの店で手に入れる必要があり、Eコマースでは意味がない。O2Oが絡む余地がある。
--Yahoo!JAPANは具体的にO2Oビジネスにどのように取り組んでいるのですか。
「O2Oプロジェクト」という名称をつけプロジェクト化し推進している。プロジェクトは、地域サービス部門とEコマース部門との共同プロジェクト。責任者はCOOの喜多埜裕明で35~36人がかかわっている。2011年10~12月に徐々に立ち上がった。
--大人数ですね。
ビジネスチャンスが大きいと見ている。
地域サービス部門でもともと取り組んでいたことが、「O2O」として認識された。Eコマース部門もサービスを拡大し、リアルの商品も提案しようとしていた。この2つの動きが、「O2O」という流れで一体化した。
11年6月、地図、グルメ、電話帳、地域情報、道路交通などの7つのサービスを統合し、日本最大級の位置情報サービス「Yahoo!ロコ」を公開した。その後のロードマップとして、リアル店舗やリアル決済との連携を模索し始めた。ローソン、JCB、クレディセゾンと連携を進めていた(注・ローソンは6月[=上写真]、JCBは8月、クレディセゾンは11月に提携を発表)。
この頃から社内でも「O2O」という用語を使うようになり意識し始めた。ちょうどリアル店舗側からも「O2O」という言葉で話を聞きたいという店が増えてきた。去年の夏ぐらいのことだ。