60歳を過ぎたら意識すべき「正しい脳の使い方」 「新しいことへの挑戦」ばかりでは裏目に出る

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レスト遺伝子はじめ長寿遺伝子の役目のひとつは、ざっくり言うと「自分を大切にすること」です。

くり返しますが、私も一方では「新しいことに挑戦すること」が大切だと説いていますので、「それだと矛盾してないか?」と思うかもしれません。そうです。これが脳の面白いところで、どちらかに偏ってしまうのがNGなのです。大切なのはバランスです。

挑戦したり、生きがいを持ったりすることは大切ですが、やりすぎないこと。自分を甘やかすことも大切ですが、甘やかしすぎは逆効果です。先にも書いた「中庸」が大切になります。

毎日の中でできる「脳にいい暮らし方」

話はちょっと変わりますが、私には、「毎日ひとつ、何か新しいことをする」と決めている知人がいます。この人は、ほんのちょっとのことでもいいので、いままでやっていなかったことをやると自分に課していて、それが習慣化されているそうです。

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

たとえば、コンビニで買ったことがないお菓子を買う、家の近所でも通ったことがない道を通ってみる、見たことがないテレビ番組を見てみる、レストランでなかなか頼むことがないメニューを注文してみる……。なんでもいいそうです。

その話を聞いて、この人は「脳にいい暮らし方」を知っているなと思いました。

新しいことをすることは、脳にいい効果を及ぼしますが、それを習慣化することが簡単ではない人もいるようです。そういう人の話を聞いていると、「新しいこと」というのをちょっと大げさに考えすぎてしまっていることがあります。

この知人のように、「ちょっとしたこと」で十分です。それだけで、脳は変化します。たとえば、散歩や通勤で歩いている人であれば、その道を毎日変えてみる。図書館に行く、書店に行くという習慣をつけることも脳にいい行為です。実は、読書の習慣がある人ほど健康寿命が長くなるという研究報告もあります。

「新しいこと」は、行動を変えるだけでなく、環境を変えることでもOKです。花やグリーンを部屋に飾ってみる、部屋の模様替えをする、寝る部屋を変えてみる、枕の位置を逆にしてみる……ちょっとしたことでいいので、ぜひ実践してみてください。

(出所:『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

西 剛志 脳科学者(工学博士)、分子生物学者

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にし たけゆき / Takeyuki Nishi

脳科学者(工学博士)、分子生物学者

1975年生まれ。東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、これまで3万人以上に講演会を提供。著作は20万部のベストセラー『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめ、『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教えるやりたいことの見つけ方』(PHP研究所)、『脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣』(あさ出版)など、海外を含めて累計発行部数 40万部を突破。

【脳科学者 西剛志公式サイト】
https://nishi-takeyuki.com

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