北海道「ロケ地になった秘境駅」最後の姿を訪ねて 何ともいえない寂しさや旅情が漂う名駅舎たち

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JR宗谷本線の終着駅で、日本最北端の駅である稚内駅から、普通列車で2駅。日本最北の無人駅である「抜海駅」は、1924年開業で今年101年目の歴史ある駅です。開業当時からの木造駅舎が残っており、「日本最北の木造駅舎が残る駅」でもあります。

抜海駅
こじんまりとした駅舎は味わいがあります(写真:JR北海道提供)

さらに、駅周辺一帯に広がる「サロベツ原野」の対岸には利尻島を望むことができ、日本でも屈指の景観のいい駅として知られています。車窓からも望める利尻富士の様子は、まさに「海からつき抜けてそびえる」よう。

実際の地名である「バッカイ」の由来は、アイヌ語の「パッカイペ」という「子を背負うもの」を意味する言葉だそうですが、そこに雄大な風景とマッチする、素敵な漢字をあてた先人のセンスには感服します。

この抜海駅が一躍有名になったきっかけの1つが、1983年公開の映画『南極物語』です。主演の高倉健さんがホームに佇むシーンは印象的ですが、このときに映り込んだ駅名の看板が話題になりました。

ただし、実際のロケ地は抜海駅ではなく、同じ宗谷地方で、既に廃線となっている天北線の「恵北駅」に「抜海」という看板を設置した形だったようです。

また、2018年公開、吉永小百合さん主演の映画『北の桜守』では、「白滝駅」と名前を変えてはいたものの、正真正銘、この抜海駅がロケ地として登場しました。

駅舎も「だるま食堂」もそのまま残っている

そこから、はるばる南下して旭川を経由し、函館本線滝川駅から分かれる根室本線へ。この根室本線も2024年に富良野~新得間が廃線となっていますが、その廃線区間にあったのが「幾寅(いくとら)駅」(南富良野町)です。

幾寅駅
「幾寅駅」は「幌舞駅」として映画の中に登場しました(筆者撮影)
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