北海道「ロケ地になった秘境駅」最後の姿を訪ねて 何ともいえない寂しさや旅情が漂う名駅舎たち

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さて、ここ増毛駅がスクリーンで登場したのは、こちらも高倉健さん主演の『駅 STATION』(1981年)。高倉さんは警察官で、オリンピックの射撃選手役でした。

海に面した港町に、1本だけのレールがそのまま行き止まりになった終着駅。他にはない、何ともいえない寂しさを醸し出すロケーションが魅力だったのではないでしょうか。

増毛駅
行き止まりになったレールが哀愁を醸し出します(写真:BASICO/PIXTA)

その他、『駅 STATION』では、函館本線の「銭函駅」(小樽市)もロケ地として登場しました。

旅愁とともに心にずっと残る

今年3月には、北海道全体で、今回紹介した抜海駅をはじめ5つの駅が廃止となります。その中には、「日本最東端の駅」として知られた「東根室駅」(根室市)も含まれています。

東根室駅
「東根室駅」も2025年3月で廃駅となります(写真:taka/PIXTA)

それぞれ地域住民の夢を乗せて開業しましたが、地域人口減や札幌圏一極集中などの傾向は止めることができず、北海道の地方鉄道の経営状況は一層厳しく、今後も合理化が進むことでしょう。

その中で、スクリーンに描かれた駅の表情は、そこから醸し出される旅愁とともに観る人の心にずっと残ります。中には保存されている場所もありますので、北海道を訪れるときにはぜひ、名作の舞台を訪ねてみるのもいいでしょう。

幾寅駅
映画ファンから根強い人気がある「幌舞駅」こと「幾寅駅」(筆者撮影)
古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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