2026年3月22日にイーロン・マスク氏によって発表されたテスラ社とスペースX社との共同運営による次世代半導体工場であるテラファブは、半導体業界でも非常な驚きをもって受け止めている。4月7日(現地時間)には、インテルがテラファブプロジェクトに協力するとのリリースも出た。
これまで発表されたテラファブに関する内容を元に半導体工場建設にも関わっていた実務者視線でその課題と実現性を検証してみる。
マスク氏の「半導体工場」構想はかなり高い目標
まず、テラファブの発表内容を確認したい。建設地はテキサス州オースティンにあるテスラ社の巨大工場「ギガ・テキサス」の敷地内だ。ます小規模のパイロットラインを構築し、最終的にはその周辺で大規模な半導体工場を建設する予定とされ、現段階の投資規模は約250億米ドル(約4兆円)と発表されている。
この半導体工場は究極の垂直統合型半導体工場であり、前工程の半導体チップ製造から後工程の先端パッケージング、テスト工程、さらにはマスク工程までも同一拠点内で行うとされている。先端の2nmノードのロジック半導体やHBMメモリまでも自社内で製造するという。これはものすごく非常にとてつもないかなり高い目標を目指しているといえる(筆者は人類が火星に行くよりも困難な目標と見ている)。
イーロン・マスク氏はなぜこのようなハードルの高い構想を発表したのだろうか?
テスラの発表によれば、自社で将来必要な半導体チップが既存の半導体メーカーからの供給では足りなくなるためだ。テスラの自動運転システム(FSD)や人型ロボット「Optimus」、スターリンク衛星や火星探査機向け、宇宙データセンター向けなど年間1テラワットの演算能力が必要だが、TSMCやサムスン電子、マイクロンなどの供給能力では自分たちの計画には間に合わないという。
それではこの構想がどれだけ困難なのか、4つの課題に絞って説明したい。
1つ目は先端半導体を製造するプロセス技術をどのように確立するかである。ノウハウの塊であるプロセス技術をイチから独自で開発することは100%無理である。




















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