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護衛艦「いずも」空撮疑惑が突きつけた防衛空白から2年、日本をドローン音痴にさせる「実装阻む壁」の正体

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平田知義氏によると「現代のドローン戦術はスマートホンのアプリがアップデートされるようなスピード感で進化を続けている」という(撮影:今井康一)

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日本最大の護衛艦のすぐ真上を正体不明のドローンが飛んでいたが、自衛隊は気づけなかった――。2024年に発覚した護衛艦「いずも」空撮疑惑は日本のドローン対処に課題を突きつけた。そして今、ドローン戦争の時代に突入している。日本政府も対応を急いでいる。実情は? 課題は? 現代戦研究会技術顧問で、自衛隊や与野党幹部などに現代戦の知見提供を行っている平田知義氏に聞いた。

――ウクライナの戦場をドローンが変えたといわれています。どんなことが起きていますか。

ドローンの技術と戦術が、スマートフォンのアプリのアップデート並みの速度で進化を続けている。ウクライナの前線を継続的に取材している報道カメラマンの横田徹さんのリポートにあるように、兵士たちは、手に入る民生品を組み合わせて低軌道衛星通信スターリンクを活用しながら次々と新たなドローン兵器を生み出して使っている。

軍事でも「オープンソース文化」が存在感

世界でドローンの圧倒的シェアを誇るのは中国のDJIというメーカーだ。初期にウクライナ軍が使用していたDJI製のドローンについては、正規のGPS(全地球測位システム)情報を発信していたため、ロシア軍に位置を特定されてピンポイント爆撃を受けていた。以降ウクライナ軍がDJI製のドローンを飛ばす際は、機体の位置情報偽装など、いわゆるハッキングを行うことが必須になっている。

今では、映像ゴーグルで機体視点から操作できる自作のFPV(一人称視点)ドローンに弾薬を取り付けて自爆させる手法が使われている。敵のジャミング(妨害電波)をかいくぐる方法も次々編み出されている。日々こうした工夫が行われ進化が起きている。

――現場レベルでどんどん進化させているのですか。

そのとおりだ。巨額の資金を投じて数年かけて開発を行う旧来の「防衛産業の作法」は、現代戦では通用しなくなっている。

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