日本のドローン市場は「中国依存」から脱却できるのか――。
政府は2030年に商用ドローンの国内需要を年間約14万台と見込み、そのうち約6割に当たる約8万台について、重要部品の確保も含めて国産で賄う目標を昨年末に掲げた。経済安全保障推進法に基づく特定重要物資にドローンを追加指定し、メーカーの研究開発などを支援する方針も打ち出している。
だが、この目標の達成ハードルは高い。
経済産業省の資料によると、国内市場は25年4月時点で9割超のシェアを占める中国メーカーの独壇場だ。国産のシェアはわずか3%にとどまる。目標の実現には、市場構造そのものを大転換させる必要がある。

商用と防衛用は密接に結び付く
政府がこうした高い目標を掲げる背景には、安全保障上の要請がある。
ドローンはウクライナ戦争や中東紛争を通じて、偵察や攻撃の中核を担う装備へと急速に進化した。防衛用ドローンを国産で安定的に確保できなければ、有事の際に調達が滞るリスクがある。海外製に依存すれば、飛行データや撮影情報の流出といった懸念もぬぐえない。
こうした文脈の中で、商用ドローンの国産化政策は実質的に防衛基盤の整備と密接に結び付いている。
ドローン技術はモーター、センサー、通信、AI制御といった要素で構成され、商用と防衛用とで多くが共通する。商用で培った技術の軍事転用(デュアルユース)が競争力のカギを握る。裏を返せば、強い商用メーカーが国内に存在しない限り、防衛向けの高性能ドローンの開発や量産もおぼつかない。
さらに、商用分野そのものも安全保障と無縁ではない。インフラ点検や警備に使われるドローンが収集するデータは、それ自体が機微情報となりうる。発電所など重要インフラの情報を扱う以上、データ流出リスクの最小化は不可欠であり、ここでも国産化の必要性が指摘されている。



















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