北海道「ロケ地になった秘境駅」最後の姿を訪ねて 何ともいえない寂しさや旅情が漂う名駅舎たち

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その廃線区間にも、有名なロケ地である「恵比島(えびしま)駅」(沼田町)がありました。1999年放送のNHK連続テレビ小説『すずらん』で「明日萌(あしもい)駅」という名前で撮影されたロケ地が、ここ恵比島駅です。

恵比島駅
恵比島駅のホームの様子(写真:JR北海道提供)

廃止前の恵比島駅は、向かって右に見える小さい建物が本来の恵比島駅で、左は『すずらん』撮影の時に作られたロケセットです。恵比島駅は廃線とともに廃駅となりましたが、そのロケセットで作られた木造の駅舎は、現在もそのまま残されています。

1999年の『すずらん』放送当時は、この留萌本線にも蒸気機関車「すずらん号」が走り、駅前もロケ地を巡るファンで大変盛り上がっていました。

恵比島駅
本来の駅舎は、右の小さな建物(写真:JR北海道提供)

何ともいえない寂しさを醸し出す

旧留萌駅からさらに先へ。といっても留萌本線は、留萌から先が2016年に廃止されています。

その終着駅であった「増毛(ましけ)駅」(増毛町)は、その特徴ある駅名から「縁起駅」として知られ、駅員がいた頃は、この駅で手売りされていた切符がよく売れました。

増毛駅
(筆者撮影)

「マシケ」という地名は、アイヌ語で「カモメの多いところ」という意味の「マシュキニ」または「マシュケ」が転じたとのこと。こちらも先人たちのネーミングセンスに拍手を送りたいです。

増毛町といえば、カモメも集まってくるほどニシンの一大漁場であり、明治期から商家や旅館などが立ち並ぶ輸送拠点として栄えてきました。今でも、当時を偲ぶことのできる旧家や町並みが保存されています。

増毛
かつての旅館や商家が多く残っています(筆者撮影)
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