【独自】「対米投融資87兆円」の知られざる巨大損失リスク/3メガとJBICの禍根を残す巨額融資が「国民負担」の火薬庫に
動き始めた対米投融資が、資金の出し手となるメガバンクの間で大きな波紋を広げている。
2025年9月、日米両政府は対米投融資に関する覚書を交わし、総額5500億ドル(87兆円)に上る枠組み(戦略的投資イニシアティブ)を打ち出した。26年2月18日には、両国がその第1弾となる3つのプロジェクトを発表。さらに3月19日、米ワシントンで開かれた高市早苗首相とトランプ大統領の会談に合わせて、第2弾となる3案件も発表された。
第1弾のプロジェクト総額は360億ドル(5.7兆円)、第2弾は730億ドル(11.6兆円)に上る。これだけでも巨額案件だが、日米間で合意した投融資総額からみれば、まだ2割にすぎない。今後も大型プロジェクトが相次いで選定される見通しだ。
関係者によると、第1弾の360億ドルについては、国際協力銀行(JBIC)が3分の1を融資し、残り3分の2を3メガバンクが均等割合で融資する方向で調整が進んでいる(下表)。

足元では、プロジェクトの収益性や技術リスクなどを見極めるデューデリジェンスが突貫工事で進められているが、メガバンクの実務担当者は「一連の対米投融資が将来に禍根を残すことは間違いない」と打ち明ける。
返済原資が不足するおそれ
「いずれのプロジェクトも、返済原資が不足する可能性が高い」
あるメガバンクは、第1弾の全プロジェクトにおいてリスク分析を行った結果、キャッシュフローが不足するリスクが高いとの結論に至った。理由は、各案件で事業収益が計画を下回るリスクが散見されることに加え、利益配分をめぐる日米間の枠組みに日本側が不利となる条項が組み込まれているからだ。
プロジェクトに必要な資金は日本側が全額負担する一方、プロジェクトから生じた利益は、日本側が元利返済相当分を確保するまで日米に50%ずつ分配される。その後はアメリカ側に利益の9割が分配される仕組みだ。
そのため日本側は、融資した金額に見合うだけのキャッシュフローを十分に確保しづらい。そのうえ事業収益が想定を下回れば、日本に帰属する配当原資は一段と細くなる。つまり出足から、融資回収の安定性に大きな不安を抱えているわけだ。




















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