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〈専門家に聞く〉脱・新車売り切り、日本車は「保有台数」で稼げ!下請け化の懸念とテスラの脅威/高い残価を武器に勝つ道

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深尾三四郎(ふかお・さんしろう)/2003年英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)卒、野村証券や英HSBC証券などを経て、14年浜銀総合研究所主任研究員、19年8月から伊藤忠総研のエグゼクティブ・フェローを務める(撮影:永谷正樹)

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100年に1度の変革期と言われる自動車業界。日系自動車メーカーは新興の中国自動車メーカーとの激しい競争やAI(人工知能)を通じた開発・生産革命といった劇的な競争環境の変化に直面している。
そして今後はソフトウェアによって価値が左右される車両を指すSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)で勝てるかどうかが生き残りに向けた条件となる。トヨタをはじめとした日系自動車メーカーには何が求められるのか。長年自動車業界を見てきた伊藤忠総研のエグゼクティブ・フェロー、深尾三四郎氏に聞いた。

競争の基盤はAIにシフト

――新たな領域が自動車業界で広がり続けています。事業環境をどのように分析していますか。

基本的に業界で議論されていることのベースラインはAIだ。AIの普及が想定以上に早く、技術革新も進んでいる。まずは価格が手ごろなアフォーダブルEV(電気自動車)をつくるためのフィジカルAIとして人型ロボット(ヒューマノイド)が出てきた。

革新的に生産の固定費を下げるためには省人化につながる人型ロボットが欠かせない。だからこそテスラで言えば「オプティマス」、さらに韓国・現代自動車やドイツBMW、中国勢では小鵬汽車(シャオペン)などが人型ロボットに進出し始めている。

また今後の競争領域である自動運転やロボタクシーも基本的にはAIの性能がその技術を左右する。いわば業界全体がAIシフトに向かっていると言えるだろう。

加えて地政学リスクもはっきりしてきた。半導体や電池、材料で言えばレアアースを含めてサプライチェーンのリスクが高まっており、資源を囲い込む流れが出ている。このままだと新車を増産して売って稼ぐというだけのビジネスモデルが難しくなっていく。

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