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躍進する中国勢に抗うホンダ、車載OSを自前で造る理由とは? ソフト開発責任者が明かす「手の内化」の真意と生存戦略

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四竃真人(しかま・まひと)/2002年ホンダ入社。エンジン制御やハイブリッド車開発などを手がけてきたほか、米国ホンダの研究開発部門にて市場品質を担当。15年から世界初の自動運転レベル3セダン「レジェンド」のプロジェクトリーダーも務めた。24年10月より現職(撮影:梅谷秀司)

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100年に1度の変革期と言われる自動車業界。日系自動車メーカーは新興の中国自動車メーカーとの激しい競争やAI(人工知能)を通じた開発・生産革命といった劇的な競争環境の変化に直面している。
そして今後はソフトウェアによって価値が左右される車両を指すSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)で勝てるかどうかが、生き残りに向けた条件となる。その中でホンダは自前の車載OS(基盤ソフト)「ASIMO(アシモ) OS」の開発に着手しているだけでなく、半導体や自動運転システムの手の内化も水面下で進めている。
ホンダが目指すSDVの価値とは何なのか。SDV戦略を所管するSDV事業開発統括部の四竃(しかま)真人・統括部長に聞いた。

SDVは「既存事業の拡張ツール」

――SDVの価値は自動運転にあるとみているのでしょうか。

メインになるのは自動運転だが、車室内での体験だけでもAIが入ってくるのでいろいろなものを想定している。従来は自分が車側になじんでいく形だったが、今後はよりパーソナライズされ、自分好みのクルマに変わっていくという感覚だ。

その世界観に対してサブスクリプションでお金をもらう考え方もある。エネルギーサービスやデータの販売、通信を通じたサービスなど事業が生まれやすくなる。SDVは事業変革ツールになるということだろう。

――数年前、ホンダはソフトウェアで2000億円程度の利益を稼ぐという社内計画もあったそうですが?

あれは幻想だ。

サブスクリプションで課金して稼ぐというのは想像できるが、小遣い稼ぎレベルで現実的には難しいだろう。繰り返しになるがSDVでは中古車や保険といった既存のバリューチェーンビジネスとつなげて、さらにビジネスチャンスを広げていく拡張ツールという認識が正しいと思う。

急激な進化を遂げているAIを駆使して、知能が車に宿る。カスタマーデファインドビークル、あるいはユーザーデファインドビークルみたいな意味合いが適切ではないか。

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