多世代が集う「ボーダーレス福祉施設」に見る未来 グッドデザイン金賞受賞の「深川えんみち」


多世代の触れ合いで得られる豊かさを日々実感
2024年5月に建物が完成して8カ月。以前はなかった光景が見られるといいます。
「子どもたちは日々、お年寄りに宿題を見てもらったり、本を読んでもらったりするほか、ときにおばあちゃん同士のもめごとを見ることも(笑)。
デイサービスは認知症の方も来られますから、日常の行いができなくなる姿を目の当たりにすることもあります。そうしたことが児童の人生にどう影響を及ぼすかは、大人になってみないと分かりません。でも、『人が老いる』ということに触れた体験は、無駄にはならないはずです」(押切さん)
未就園児から地域の住民まで、さまざまな人が行き交い、時間の流れが感じられる分、デイサービスの利用者には、いきいきとした表情が見られるようになったといいます。
「デイサービスの『まちキッチン』のトイレには『おむつ交換台』があって、『子育てひろば』に参加したお母さんが、赤ちゃんを連れて来ることが。そんなときお年寄りの方たちは、『こっちに来て』『抱っこさせて!』とたちまち元気になって(笑)。現代は核家族化しているので、親御さんにとっても得がたい経験になっていると思います」(竹内さん)

