「子育てに疲れた人」に試してほしい3つの視点 「見ざる」「言わざる」「聞かざる」を実践する

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すると、はじめのうちは何も言われないので、子どもは時間を守りませんが、数日経つと子どもの様子が変わってきます。1週間は試してもらいたいのですが、どうしても言いたくてしょうがない場合は、まずは3日間、「何も言わない」を実験してみてください。100%子どもが変わると断定はできませんが、これまでの実例ですと90%の確率で子どもは何らかの自主的行動を起こします。

(3)「聞かざる」の実践 ~周囲の意見に振り回されない

「もっとこうしたほうがいい」「そのやり方は間違ってるよ」と親戚縁者やママ友からのアドバイスに、心がざわつくことはよくあると思います。特に子育てを先にやった人は自分の経験を人にアドバイスしたくなるものです。また、子育てが初めてであると、どうしていいかわからないこともたくさんあるので、先輩ママの言葉に耳を傾けると思います。

しかし、子育てには絶対唯一の正解はなく、あるママが「私はこうしてやってきた」と言うことはそのママの方法であり、その子に合ったやり方だったのです。ですから、100人の子どもがいれば100通りのやり方があるのが子育てです。もちろんすべての意見を無視する必要はありません。善意でアドバイスをくれる方の気持ちは大切にして、参考になる点は受け入れていいと思います。ただし、それが自分の子にとって正解であるとは限らないという点だけ留意されることをお勧めします。

以上、「見ざる」「言わざる」「聞かざる」についてお伝えしてきました。

子育てがしんどいと感じるとき、多くの場合、その原因は「必要以上に周囲の情報を気にしすぎていること」や「子どもの1つひとつの行動に敏感になりすぎていること」にあります。完璧を求め、理想と現実のギャップに苦しんでしまうのは、それだけ真剣に子どもと向き合っている証拠です。しかし、そのままでは、親も子も息苦しくなってしまいます。

そんなときは、ぜひ「3ざる」のうちのどれか1つだけでも試してみてください。比較することをやめる、言葉を減らす、周囲の言葉に振り回されない——それだけで、子育ての景色が少しずつ変わっていくはずです。

子育ては、長く続く一大プロジェクトです。そしてそのプロジェクトは、「完璧な親になること」ではなく、「親も子も笑顔でいられること」にあります。

すべてを一度に変える必要はありません。今日より少しだけ心を軽くすることから始めてみてください。子育てが、少しでも楽になり、喜びを感じられるものになることを心から願っています。心から応援しています。

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石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

講演、執筆相談はこちらから。

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