「ストレス=悪」の誤解が招く不調のスパイラル5つ なんでも「ストレスのせい」にしてはいけない
動くのをやめると、てきめんに体のあちこちに不調が表れるのは覚えがあるだろう。運動不足によって心臓はじめ各種臓器、血管、骨や筋肉の機能が低下する。これを「廃用症候群」という。
デスクワークが多くなっている現代に、ストレスへの恐怖が動かないことを助長してしまうことは非常に心配だ。
「ストレスに対する誤解」が問題を見誤らせる
ストレスを不健康の原因と考えることは、本当の問題から目をそらすことにもつながる。
たとえば、体調不良をストレスのせいだと思い込むことで、「仕事を休めば治る」と、根本的な原因があり、すぐに治療が必要な病気を見逃してしまったり、自身の健康管理がおろそかになったりする恐れもある。
ストレスを変に誤解することで、つらい気持ちばかりがつのり、人に相談しても、「気を楽に持ったら?」などと言われて、余計に落ち込んでしまう。その落ち込みが状況を悪くする方向に働く、という悪循環に陥っている人もいる。
ストレスを誤解することによって以下のような問題が考えられる。
体調不良の原因がストレスだと思って適切な医療機関への受診を怠ってしまい、実際に、病気の早期発見を遅らせてしまうケースは少なくない。深刻な病気が隠れているのに発見や治療が遅れ、症状が悪化する恐れがある。
体調不良をすべてストレスのせいにすることによって、自身の健康管理に対する責任感が薄れる。「休息」を口実に、生活習慣の改善や健康的な食事、運動などの努力を怠ることも見受けられる。自分の健康状態に対しても無関心になり、いわばセルフネグレクトのような状態になってしまうこともある。
ストレスをなにか得体の知れないものと考えることで、不安や焦燥感が増幅し、精神的な負担が大きくなりがちだ。やがては、自己肯定感が低下し、自信を失ってしまう可能性がある。ストレスの原因を特定するのは難しい。そのままの状態が続き、不安や焦燥感が増幅することで、うつ病などの精神疾患を発症してしまうリスクが高まる。
ストレスは「外部刺激」なので、自分以外のせいにする「他責」のような気持ちになりやすい。周囲の人々に対して不信感を抱き、コミュニケーションが円滑に取れなくなることもある。やがて、周囲との関係もうまくいかなくなり、周囲からの協力を得ることが難しくなる。
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