テレビ業界に「飲み会必要」元アナが語る正当理由 フリーアナから経営者になった彼女が経験したこと
報道で「性接待」や「献上」「上納」などの言葉が出てきて驚きました。女性アナや演者が飲み会の席に行くと、クライアントから喜ばれます。アナウンサーはコミュニケーションがとれて、気配りもできる人が多いので、飲み会を盛り上げる役としては適任だと思います。
私自身もフリーアナウンサーとして、そのような役割を与えられて飲みの席に行くことを理解していましたし、何より私がそれを楽しく感じて飲み会に参加していたように思います。
チームのみんなで楽しく「いい番組ができた」「みんなでまた次もいい仕事をしようね」と振り返る時間はすごく楽しかったです。接待をさせられているような感覚ではありませんでした。
そのような飲み会を「性接待」という言葉で表現するなら、「性接待」はあると思いますし、私もそういう「性接待」をしてきた側になります。
とはいえ、これは私が関わってきた狭い世界の話なので、断りたいのに強制的に飲み会に参加させられた経験のある人がいるかもしれません。
「飲み会に来ないと次の仕事がない」「ポジションを奪う」
そのような言葉で半ば脅して誘うような飲み会もあるのかもしれませんが、私は経験がありません。
テレビに出ているアナウンサーがみんなそのような経験をしていると思われる人が多いかもしれませんが、必ずしもそうじゃないということをお伝えしたいです。
エレベーターで一緒になった男性からかけられた言葉
——危険な目にあったことはありませんでしたか
アナウンサーの仕事には地方ロケもあります。宿泊を伴う仕事になると、メンバーやクライアントとみんなで仕事の後に集合してお食事に行くこともよくありました。
ある意味で、みんなでご飯を食べるまでが地方ロケの仕事だと感じていたかもしれません。そこから2次会、3次会と行くこともよくあって、すごく楽しい思い出です。
ただ、宿泊を伴う地方の撮影では、部屋は別でもスタッフが同じホテルに泊まることもあります。飲み会が終わった後に、偉い立場の男性とエレベーターに一緒に乗って、「高橋、この後、部屋で飲み直さないか」と誘われたこともありました。
身の危険を感じて「お部屋でまだ飲まれるんですか。飲み過ぎ注意ですよ。おやすみなさい」と誤魔化してその場から逃げました。
誰かが仕向けてそのような状況になったわけでもなく、たまたまその人が私を誘ったという話ですので、私が陥れられそうになったという状況ではなかったんですけれども、事実として誘われて逃げた経験はあります。
これは女性アナウンサーだからというより、お酒を飲んでくだけた状態でいるときに誘われることは、業界や職種を問わずあることだと思っていて、「女性アナだから誘われた」とは思っていません。