「ここに入る数字は?」の答えでわかる思考の仕方 パターン認識はバイアスや思い込みと"紙一重"

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1回目で紹介した浅田彰先生の著書『構造と力』の一節には、続きがあります。

「……(前略)出来れば問題そのものをズラせてしまうこと。そんなことをすればせっかく抽出したパターンが乱れてしまうと思うかもしれない。心配は無用だ。ひとつのパターンを後生大事に守り抜くことは寺院にこそふさわしい。大学は出来上がったパターンをズタズタに切り裂く場所でもあるのだ。画布を破り捨てる用意のある者だけがすぐれた『かたち』を描くことができる」

優れた思考態度のすべてがここにあるといっても過言ではありません。

パターンを認識しては、それを疑い、ズラして壊し、従来と違う切り口から光を当てて新たな、あるいは異質なパターンを認識して、さらに……と繰り返していくことが大切なのです。

トップ5%は世界の見方を更新する

ここまで、「考えるとは何か」の問いからスタートして、パターン認識を切り口として思考態度を考察してきました。トップ5%の戦略コンサルタントは大なり小なりこのような思考態度を備えています。

パターンをどの程度意識しているかは人それぞれですが、トップ5%の中には「一見○○に思えるが、実は××なのです」「切り口を変えて見てみると△△が浮かび上がります」といった具合に、世界の見方を更新する思考を得意としている人が圧倒的に多いのは事実です。

そして、「一見○○に思えるが、実は××」という思考は、モノの見方をメタから認知してパターンとして理解することで可能になります。

広義の「情報」の「かたち」を見定めるパターン認識の思考態度、そして、「従前の見方」によるパターンを捨てて、「今までと違う切り口や見方」で今までと違うものを見て、その認識を「新たなパターン」として理解する創造的思考態度が働いていることがわかります。

思考についてもう少し理論的に理解したい方のために、パターン認識を中心とした思考をモデル化しました(次ページの図)。専門性のパターン認識と創造性のパターン認識の関係がすっきりわかるはずです。

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