日本の若者「本当は結婚したい」のにできない真因 結婚に対する前向き意識は変わっていない

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未婚男女の人口差は出生性比のメカニズムによるものでいかんともしがたいし、社会増減で20代の若者が大都市に転入することも、それは仕事を求めての話であり、止められる筋合いのものでもありません。ましてや、全員が結婚した皆婚時代でもないので、若者に結婚を強要することもできないでしょう。「選択的非婚」の生き方も尊重されるべきです。

私自身、結婚を推奨も否定もしませんが、少なくとも結婚したい人には結婚できる環境があるべきだと思うし、結婚したいのにできないという不本意未婚が5割にもなる現状は由々しき問題と考えます。

何が若者の不本意未婚を生んでいるか

対応策は、都道府県別に異なる事情もあり、そこは細かく見ていく必要がありますが、少なくとも何が若者の不本意未婚を生んでいるかという点においては全国的に共通する課題もあります。

令和6年こども家庭庁が実施の 「若者のライフデザインや出会いに関する意識調査」の中に、「結婚のハードル」について聞いているものがあります。対象は25~34歳未婚男女ですが、男性28.9%、女性も25.4%が結婚のハードルとして「経済的問題」をあげており、全項目の中ではトップです。不本意未婚が5割いる中で、その半分から6割は「経済的な問題」によるものと推計できます。

事実、減っている若者の婚姻は年収帯では中間層以下だけです。経済的問題だけをクリアすればすべてが解決するとまでは言いませんが、この10年で急減した中間層の若者初婚数と鑑みれば、若者の不本意未婚と所得の問題についていつまでも「見ないフリ」をしている場合ではないのではないでしょうか。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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