安楽死を決めた彼女をイラつかせた「人々の行動」 その日が来るまでゆっくり過ごしたいのに

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「毎日、死を選択している」と彼女は話を続けた。「それは一度決めたらそれでお終いという選択じゃない。毎日考えて、毎日決めることなの。でも、いつも結論は同じ。わたしはもう、どんどん死にかけてるの。ベストを尽くすなんて、もううんざり」

死にゆく人がまわりの人に望むこと

わたしはヨランダに、まわりの人に何を望むか、彼らがあなたのためにできることは何か、とたずねた。それがわかれば、MAiDを選択したほかの患者の家族に伝えることができ、助けになると思ったからだ。

まず、どんなに愛しているかを伝えることができる。あたりまえすぎるみたいだけど、わかっていると思うからなのか、口に出さない人が多い、とヨランダは言う。これまで互いにどんな影響を与えあったか、思い出を語りあうこともすばらしい。

「何が必要?」「何をしてほしい?」とたずねるのもいい。それを考えられないほど疲れているようなら、代わりに考えて、それをしてあげればいい。

たとえば、「食事をつくったから、食べたいときに食べてね」と言えばいい。庭の芝生を刈る。バスルームを掃除する。いっしょに食事を楽しむために、その手配をしてあげる。「その人が好きなことは何かを考えて、それをしてあげればいいのよ」。そう言って彼女はリストを締めくくった。

逆に、やめてほしいこともある。「あなたがこんな目に遭っているのを見るのはとても辛い」などと言ってはならない。死にゆく人がそんなことを聞かされる必要はない。

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