SBI新生銀行、早すぎる「再上場」に渦巻く思惑 金利あるうちに再上場?問われる成長戦略

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SBI新生銀行
2023年9月の上場廃止から、わずか2年で再び株式市場に舞い戻るのか(編集部撮影)

1月28日、SBI新生銀行は株式市場への再上場に向けて準備を始めると表明した。同行に残る公的資金3300億円については、SBIホールディングス(HD)の支援を受けつつ、うち1000億円を3月末までに返済する。残る2300億円も2025年度中に完済する道筋を示し、その後に上場を模索する。

同行がTOBによってSBIHDの子会社となったのは2021年。その後、追加のTOBによって2023年9月に上場廃止となった。わずか2年程度での株式市場への復帰には、さまざまな思惑が絡む。

急ピッチの再上場

「本来なら、銀行の収益力がもっと高まってからでもよかった。かなり急いでいる印象だ」。ある市場関係者はこう指摘する。

3300億円もの公的資金をSBI新生銀行が独力で返済するには相当な期間を要する。そこで3月末までの返済分1000億円のうち、半分をSBIHDが肩代わりすると決めた。残る2300億円についても、銀行が全額負担すると自己資本比率が健全とされる8%を下回りかねず、返済に向けて何らかの手段を講じる可能性が高そうだ。

SBIHDが自ら身銭を切ってでも再上場を急ぐ理由は何なのか――。一因として挙がるのは、「金利が上昇し、銀行株の評価が高いうちに上場したいのだろう」(市場関係者)。

銀行株のPER(株価収益率)は、マイナス金利時代には10倍を割ることも多かった。現在は金利上昇による成長期待から、大手行では12~13倍程度まで回復している。利上げの打ち止めが意識され、追い風が止む前に上場しておきたい、という狙いが透ける。

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