サンリオ常務であり、「HBSの最も成功した卒業生31人」に選出された鳩山玲人氏はこう述べている。「ハーバード・ビジネススクール(HBS)在学中に出会った教授の中で、特に思い出深い教授が、アニータ・エルバースさん」。
エルバース教授はエンターテインメントを題材に扱う「Strategic Marketing in Creative Industries」(クリエーティブ産業における戦略的マーケティング)という異色の人気授業を担当する。その授業では映画、テレビ、音楽、出版、演劇、スポーツからナイトクラブまでのあらゆるエンターテインメントをビジネスロジックで解釈する。
これまで研究してきたエンターテインメントビジネス理論の集大成として作り上げたのが、書籍『ブロックバスター戦略』(鳩山玲人監訳・解説、庭田よう子訳)。鳩山玲人氏も「自分自身もブロックバスター理論の信者」と公言している。そのブロックバスター戦略を、事例とともに解説していただく。
9440万ユーロ:クリスティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッドから)
9100万ユーロ:ガレス・ベイル(トットナムから)
7950万ユーロ:ハメス・ロドリゲス(ASモナコから)
7500万ユーロ:ジネディーヌ・ジダン(ユヴェントスから)
上の数字は、レアル・マドリードへ移籍した、スーパースター選手の移籍金である。1人のサッカー選手に100億円以上(1ユーロ=135円換算)の投資をしていることになる。
ほかにも、ルイス・フィーゴ、デイビッド・ベッカムなどのスター選手ばかりを集めてチームを編成することから、レアル・マドリードは「銀河系軍団」と呼ばれることもある。サッカーはもちろん、ほかのスポーツでも、スター選手ばかりを集めても、必ず勝てるわけではない。なぜ、レアル・マドリードはスター選手を集めるのだろうか。レアル・マドリードのとったアプローチをみながら、その理由に迫っていきたい。
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