ハリウッド映画の超巨額投資がペイする理由

ハーバード流「ブロックバスター戦略」とは

1作に100億円以上も投資するハリウッドの戦略は、はたして「正気」と言えるのか?(写真:aragami12345 / PIXTA)
サンリオ常務であり、「HBSの最も成功した卒業生31人」に選出された鳩山玲人氏はこう述べている。「ハーバード・ビジネススクール(HBS)在学中に出会った教授の中で、特に思い出深い教授が、アニータ・エルバースさん」。
エルバース教授はエンターテインメントを題材に扱う「Strategic Marketing in Creative Industries」(クリエーティブ産業における戦略的マーケティング)という異色の人気授業を担当する。その授業では映画、テレビ、音楽、出版、演劇、スポーツからナイトクラブまでのあらゆるエンターテインメントをビジネスロジックで解釈する。
これまで研究してきたエンターテインメントビジネス理論の集大成として作り上げたのが、書籍『ブロックバスター戦略』(鳩山玲人監訳・解説、庭田よう子訳)。鳩山玲人氏も「自分自身もブロックバスター理論の信者」と公言している。そのブロックバスター戦略を、事例とともに解説していただく。

 

ハーバード大学で異色の人気授業!  映画、テレビ、スポーツ、IT業界で「ひとり勝ち」するための戦略を解き明かす。『イノベーションのジレンマ』のクリステンセン教授も絶賛する、圧倒的勝者の戦略とは?

製作費1億2500万ドルで、全世界興行収入9億7473万ドルの『ハリー・ポッターと賢者の石』。

製作費2億5000万ドルで、全世界興行収入13億2811万ドルの『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(シリーズ最終作)。

観客が移り気で、失敗の確率も極めて高い映画の世界で、1作に100億円以上の巨額の製作費をかけるのは、正気と言えるだろうか? 

『ハリー・ポッター』シリーズの配給元であるワーナー・ブラザースのような大手スタジオや、エンターテインメント業界の大手コンテンツ制作者にとって、この問いに対する答えは間違いなく「イエス」だ。一見、リスクを伴うこのアプローチが、競争の激しい現代の市場で通用する理由を説明する前に、まずはワーナー・ブラザースのとったアプローチを詳しく見てみよう。

次ページ巨額制作費はペイしているのか
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 財新
  • 今見るべきネット配信番組
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT