停戦に向けてウクライナに残された3つのシナリオ トランプ新大統領は早期停戦をまとめられるか

✎ 1〜 ✎ 180 ✎ 181 ✎ 182 ✎ 183
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

知らないということは「作れない」ということであり、それゆえ知らない爆弾を持つ国との戦いは恐怖そのものであるといってよい。

NATOの軍事介入による世界戦争という考えは、この爆弾の威力の前で色あせてしまった。アメリカ軍も含め、この新型爆弾になすすべがなかった。平和交渉を進めるしかなくなったのである。

また、冬将軍到来の中で天然ガスの問題が、とくに東欧諸国で問題になり始めたことも、平和交渉を促進させることになった。

冬将軍の到来が平和交渉を促す

ウクライナには、ロシアから東欧諸国に流れるガスパイプラインが走っている。ノルドパイプライン、ビエラ・ルシとバルト3国からポーランド、ドイツへ至るパイプライン、そしてクルスクからウクライナを通り、スロバキア、ハンガリー、チェコ、クロアチアに流れるパイプラインだ。

そして同じくウクライナを通ってトランスニストリア(沿ドニエストル)からモルドバを通ってルーマニアに至るパイプライン(トルコからのパイプラインもある)である。

ゼレンスキー大統領がこのウクライナを通過するパイプラインを止めるという。これには、アメリカからの輸入が増えるので、アメリカの陰がちらつくが。これによって困るのは、当然ながら主としてチェコやハンガリー、モルドバ、クロアチア、ルーマニア、トランスニストリアなどである。

2024年12月、スロバキアのロベルト・フィツォ首相(同年、暗殺されかけた人物)がモスクワのプーチンを訪問した。ウクライナからのガス供給と停戦交渉のためである。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事