第3のモデルこそ現実的なモデルであるが、これとてウクライナ政権には承服しがたいであろう。
残された西ウクライナの西の地域、すなわち自由ウクライナはポーランド、ハンガリー、ルーマニア、スロバキアに返還され、ウクライナのNATO入りはほぼ実現するものの、それはもはやウクライナとしてのウクライナではなくなるからである。
そして新ウクライナは、国家として存続するものの、ロシアと密接な旧ソ連の共和国と同じような位置づけになり、NATOやEUとの関係が完全に断たれ、BRICS経済圏に包含されてしまう。
これはあくまでも1つのロシア人の案であり、プーチンの案ではない。しかし、現在の戦況から見て、ロシアは占領した地域のみならずウクライナ全体をロシアの緩衝地帯にしたいという意図を持っていることは確かだ。
ウクライナの非武装中立化?
NATOやEUに参加しないという条件がそれであり、そこは譲れない部分といえる。
戦況を有利に展開するロシアは、占領した地域のみならずウクライナ全土を中立の非武装地帯として考えることは間違いないだろう。そうすると停戦は簡単にまとまりそうにはない。
まとまらないとなれば戦争は終わることなく続き、最終的には第1の併合モデルか第2のアナーキーなモデルになるのかもしれない。今後の状況は、どこまでウクライナが譲歩できるかという問題と、西欧勢力が武器の支援を行わないという条件にかかっているといえる。
かくも複雑な戦後の処理をどうするのか。トランプのお手並み拝見といきたい。
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