日本は後進国?子どもの学力差がつく意外な盲点 なぜ?なに?を伸ばすだけで思考力が身につく

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まさに、この教育の根底に、子どもたちのワクワクする気持ちを刺激して、主体的に学びを深め、面白がってもらおうという考えがあります。

非認知能力は、国語や算数や社会など、あらゆる教科で伸ばすことができます。

なかでも、STEAM教育の「S」である「理科」は、子どもたちの「なぜ?」「どうして?」という好奇心の芽を育て、世界を広げる力となる教科です。

小さな種から芽が出て、茎となり、花が咲く。そんな過程を子どもたちは目を輝かせて観察しますよね。植物を育てる責任感、毎日欠かさずにお世話を続ける忍耐力を、自然と身につけていくのです。

あるいは、川原で石ころを拾ったり、その形や色、手触りの違いに目を凝らす。そして、「この石はどこから来たのだろう?」「どうしてこんな形になったのだろう?」と、疑問を抱く。これは、探究心、観察力を育む、かけがえのない経験となります。

ノーベル物理学賞受賞者の朝永振一郎先生の言葉に、「ふしぎだと思うこと これが科学の芽です よく観察してたしかめ そして考えること これが科学の茎です そうして最後になぞがとける これが科学の花です」という言葉があります。

子どもたちの目が輝くような、ワクワクとした気持ちを刺激する学びであふれている教科が理科なのです。

日本の理科教育の現状と課題

私は、これまで30年以上、数学や理科教材など、子ども向けサイエンスコンテンツの作成に携わってきました。

小学生に向けたコンテンツだけではなく、大学入試共通テストの問題作成委員など、日本の理科教育に携わってきた私の信念として、「理科のテストの点数を取れる子をつくるより、理科が好きな子をつくりたい」という思いが根底にあります。

従来の日本の理科教育は、正解ありきの知識を詰め込むことに重点が置かれていました。

理科の授業内での実験も、あらかじめ結果や正解がわかっているものが多いので、子どもたちが自ら疑問を持ち、探求する機会は限られていますよね。

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